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自珈亭のコーヒー豆は、おかげさまで「とても美味しい」と大変好評です。これは当店のこだわりで、品質グレードの高いさまざまな銘柄の中から、さらに選りすぐった銘柄選択をしているからに他なりません。でも、この商品選択で多数の銘柄を試すときに思うのです。「確かに美味しい。でも、特長を主張し、美味しさが前面に出てくる豆が少ない。」「豆の品質が安定しない」こと。
これらが、激安コーヒー(もちろん美味しくて安い)を長年追い求めてきた、私達を含めた消費大国の仲買とロースターの益とお買い得だけを追及してきた消費スタイルが原因になっているとは、多くの人たちは知るよしもありません。
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「美味しいコーヒーを安く手に入れて高く売りたい」
「美味しくて安いものを買いたい」
これは経済の流れとして当然の成り行きかと思います。でも、これらの欲求が、生産現場では無茶な買い叩きを引き起こしていました。コーヒーは農産物です。美味しいコーヒー作りの為に、手間ひまをかけてくれる生産者の方々に、苦労に見合った対価が払われないことが、いったい何を引き起こすのでしょうか。
南米をはじめとする大規模農法(プランテーション)は、自然生育のコーヒーに必要な、木陰での生育環境だと効率が悪いために、森林を伐採する。森林がなくなるために、土壌の養分は不足し人工的肥料を使わざるを得なくなる。でも、コーヒーは効率的に大量生産ができるという状況。
これと同じことが、地形、または経済的に出来無い国々の人々、つまり手間をかけたコーヒー作りを売りとする産地の多くの農家の方々は、プランテーションのコーヒー取引価格に自分たちのコーヒーの取引価格までが影響を受けてしまい貧困にあえいでしまっています。収穫しても収穫しても儲からない。肥料も農薬も買う金が無くなる。この結果、生産量の減少、手間ひまをかけた栽培への意欲低下、粗悪品の流通、コーヒー栽培からの離脱…どんどんと悪循環を生み出します。
ブランド化してしまった超高価なブルーマウンテンやハワイコナなどばかりではなく、キリマンジャロやメキシコなど、その他旧来からの銘品の中の絶品コーヒーを飲みたいではありませんか。
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フェアトレードは、コーヒー豆を安く仕入れるためではなく、継続の目処がなくなりつつある銘品を残し、農村を救済するために、産地農村と直接契約をし、適正な価格でお豆を購入するのです。そして、フェアトレードのお豆購入側の契約団体は、仕入れ契約だけでなく、美味しい珈琲作りができるように栽培法の指導や、自分達でお豆の精製・輸出業務ができるように、支援をしながら手を取り合っていくのです。コーヒー豆を自然に近い環境の中で伸び伸びと育ててやる。伐採してしまった森林に、木陰用の樹木を植樹し、自然栽培に切り替えていくなどの地道な活動は大変です。しかし、農村の方々は、良いものを作っていく意欲があり、そしてフェアトレード団体も何とか美味しい珈琲と産地を守り育てていきたいという意欲にあふれています。
それは、そのまま良質な珈琲の香味につながってくるものではないかと自珈亭は考えます。フェアトレードのことを、仲介業者を排除した仕入れのコストダウンと勘違いしてはいけませんよ。
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フェアトレード思想を理解したからといって、当店でフェアトレードコーヒー豆の仕入れ採用について特別評価は致しません。いつもどうりのスタンスで冷静に、香味確認をテースティングで行い、折り紙付きの自信のお豆をご提供していきます。
是非、このフェアトレードで入荷した、作り手の気持ちのこもったコーヒーをお試しください。それがまた来年に、美味しく、自然の活き活きとした息吹を感じるコーヒーの栽培支援につながっていくのです。
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またここ最近では、これら自然農法のコーヒーと、その栽培に必要な日除け用の樹木(シェードツリー)を共存・植樹する自然農法が、フェアトレードによって支えられていることが知られてきています。植樹や土壌改善は、環境浄化、温暖化防止など、私たち人間を含む多くの生物にとって必要な環境改善です。
栽培指導が農薬や化学肥料を使用しない自然栽培で、環境にも健康にもやさしいなど、フェアトレードコーヒーは、コーヒーの世界だけでなく、さまざまな相乗効果が期待されています。私達が飲む美味しい珈琲が、実はそんな役割も果たしているなんて、ちょっと不思議で感心してしまうのです。
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~基礎知識~ |
フェアトレード:
国際価格に惑わされず、現地の生産者の生活を考えた商品取引のことをいいます。適正な価格で取引することで、途上国の生活向上を支えることが目的。ヨーロッパを中心に1960年代から本格的に始まりました。作物だけでなく、衣類やアクセサリー、伝統工芸品の取引でも導入されています。 |
◆フェアトレード(公正貿易)の基準
1. |
.【最低保証】
相場に左右される生豆価格の最低保証をすることで生産者の最低コストを守ります。 |
2. |
【前払い】
生産者にとっては収穫時に現金が必要です。
そのため最大6割の前払制度を設け、 生産者が借金を負うことを防ぐ目的で渡されます。 |
3. |
【フェアトレード奨励金】
現地の研修、女性プロジェクトなどの社会活動に使われます。 |
4. |
【有機栽培奨励金】
環境保全の見地から、生産者の 有機栽培を支援しています。 |
5. |
【長期安定契約】
将来の投資の基礎として長期契約を結ぶことが基本となっています。 |
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