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~ 実際の使用テストで〝香味〟と〝家庭用〟の両立を図った器具だけを厳選したドリッパー販売~
  その4

今度は(ペーパー)フィルター同士を比較しても香味は変わるかの比較
今回も気合を入れて、香味比較実験をいたしました!!

ハンドドリップ(手おとし)のコーヒーが、手間はかかってもその見返りをきっと香味で返してくれるということで、自珈亭ではこのドリップ方法をお奨めしています。これまでは、「ドリッパー」研究を主に行ってきましたが、ふと「フィルター」の方に目を向けると、結果としてペーパーフィルターが使い易いとしてきていました。いや、今でもこの考えに変わりはなく、やはり準備と事後処理の手軽さ、管理の楽さ加減は特筆物です。

ただ、香味比較3で実験したところ、「フィルター」にもっと視点を置いてもよいのではないかと、ふつふつと考えが積もっていったのであります。幸い、ペーパーフィルターも、薬害から避けていますよというフィルター、自然保護を目的とする様々な原材料のフィルターが、ここ数年で発売され、材料も揃ってまいりました。

・・・ということで早速、代表選手4種類を選抜して、香味実験をスタートしたいと思いたった訳です!!

紙くさいからネルドリップのほうが良いとされるドリップ用フィルターですが、本音のところのペーパーフィルターの実力はいかなるものか。そして、ここに今回はマニアックにも金属フィルターを乱入させて、「フィルターの総合選手権」的に実力比較を開催したわけです。

それでは、実験選択の横濱 自珈亭から、テスト結果をお届けします。自珈亭ラインナップの充実になるかどうかも、楽しみです§^-^§

実験はいつもの通り、複数回、そして一銘柄だけでもなく、数度、数日にわたりテストしています。こだわりの探求結果を、ご一読ください。

もちろん使用するドリッパーは、香味、使い勝手、収納性のトータルパフォーマンスで現時点(2007年)まで圧倒し続けている、王者「コーヒーバネット」を共通して使用。基本的に、美味しいコーヒーが淹れられることを前提に進めました。


★★今回の実験条件設定★★

① ドリッパーは、コーヒーバネットを使用。フィルターによって、使用
  バネットのサイズは異なります。

② 同じ豆を同じ挽き加減で比較。お豆は二種類を香味チェック。
  一種はストレート。もう一種は二種類のお豆のブレンド。

③ 金属フィルターは、ドリップスピードが遅めなので、ペーパーフィル
  ターより少し粗めの挽き加減としています。

④ 全てホットコーヒーで香味を判別しました。ドリップの濃さは、若干
  薄目です。

⑤ 一人が並行して、同時に2つの抽出をしながら、香味確認。
  湯温はほぼ同等。85℃前後を維持

⑥ ドリップポットは、kalitaさんの細口ドリップポットを使用


⑦ お水は、浄水器を利用した水道水を使用
  当店地区のお水は少々まろみがあり、お料理などの際には
   塩が効きにくい性質があります。

●● ハンドドリッパー用フィルター各種 の香味比較テストの結果です ●●
コーヒーは嗜好品ですので色々反論もあるかと思いますが、好き嫌いではなく香味の傾向をストレートにお伝えいたします。

比較実験を行ったフィルターは、代表的な次の四種類を選択しました。

メリタ バンブーフィルター
メリタ バンブーフィルター

当店でも販売している、木材パルプの使用による森林伐採を意識し、新しく無漂白の竹(バンブー)パルプを60%使用したペーパーです。成長が無茶苦茶早い竹を原材料とすることで、森林伐採からの回避を目論む環境対策フィルターです。
竹素材の特徴以外に、メリタ特許の微細孔処理をすることによる、コーヒーの香味を通過させるアロマホールを装備したこだわりペーパーフィルター。

コーヒーバネット専用フィルター
ユニフレーム バネット専用フィルター コーヒーバネットの渦巻き円錐形状にあわせて、専用に用意されている円錐ペーパーフィルター。落ちるスピードがどうのとあるが、もはやコーヒーバネットを使っている上では意味がない。でも、台形フィルターでの円錐折り対応よりは、物理的に均等なドリップが実現できるし、やはりコーヒーバネットにジャストフィットするので挽き粉を入れるのは気持ちが良いです。漂白済みの濾紙は、KONO式円錐ドリッパーに用いられているものとほぼ同形状のペーパーフィルターです。
コットンパワーフィルター
コットンパワーフィルター ペーパードリップでも、手軽にネルドリップの味に近づけるというフレコミで、販売店さまもどんどん増えてきているフィルターです。コットン(綿)を主素材に使用していることもあり、紙臭さの低減、コットンの吸着力と繊維の細かさでネルドリップ的にドリップできるということ。これも新たなフィルターとして、注目の一品です。
エルフォ スイスゴールドフィルター
エルフォ SWISSコールドフィルター 飛び入り参加の金属製フィルター。コーヒーティスター(コーヒー鑑定士)のカッピングテストでも使用されるという、プロの評価が高いフィルターです。当店で卸商品として扱っている「ビタントニオ社」のコーヒーメーカーで使用されているので、何度か当店でも試していましたが比較実験は初めてです。能力は確かに高いものですので、大変楽しみであります。




●● まずは、お水をそのまま濾してみる●●

 ペーパーフィルターでよく言われる、ドリップしたコーヒーに「フィルターの紙の匂いが着く」というコメントはいかなるものか。正直、通常のドリップの中で、紙の味わいのあるコーヒーはあまり飲んだことも意識したこともありません。それより手入れし損なったネルドリップのネルだったり、以前実験しましたセラミックドリッパーの方が、香りや味での差が明確に伝わってきます(悪いほうで)。ドリップ方法の違いもはっきりでますね。皆さんのご感想はどうでしょうか・・

ともあれ、なんだかんだウンチクを言ってもしょうがない。実証と実験あるのみの自珈亭が、皆さまの代表としてテストしちゃいます。
自珈亭の主観的評価ですが、商品のご選択のひとつの情報として参考にしていただければ幸いです。


(相対比評価 5得点式)
嗅ぐ
香り
含み
香り
水の
甘み
水だけの
ドリップ
スピード

相対比10段階
ちょっとコメント
メリタ
バンブーフィルター
かすかに紙の匂いかなと思うと、竹っぽいのに気がつきます 僅かですが、乾燥した竹の感じがします 甘みは下がるが、ペーパータイプの中でもっとも良好 8 竹の香りだぁ♪とほのかに香りますが、その他の香味はバランスのよいフィルターです
UNIFLAME
コーヒーバネット
専用フィルター

嗅ぐだけではあまり差が解りません 何かが違う感じはありますが、変化に気がつきにくい 丸みが消え、スッキリとした味になります 7 ペーパーフィルターの中で、もっとも香味変化が少ないのがこれ

コットン
パワーフィルター
和紙っぽい香り 布の風味を感じます。紙の様な、布のような・・ 丸み感が最も薄れてしまいました 10 味、香り共に、真水からの変化がもっとも大きいのが特徴です。味が着いてしまったお湯がはいります
エルフォ
スイスゴールドフィルター
ほとんど変わりません ほとんど変わりません 僅かにすっきりとします 5
とにかく、全てにおいて変化が少ない、といいますかほとんど変化しないのはこれ
水をストレートに 無香 無香 横浜のお水は、角の無い丸みを感じます -
 
ペーパーフィルターのお湯通過実験  
ペーパーフィルターの傾向として、水本来の甘みのような丸さが濾過される傾向があります。結果として、もともとのお水よりもスッキリとした感じの香味に変化します。もしかしたら残念かもしれないと思うのは、高原など森林地域でお水が美味しいと感じる地区の喫茶店でも、「ここはお水も美味しいから、珈琲も美味しい」 と言い切れなくなっているのかもしれないなぁ、と思ってしまったこと。

ネルドリップをイメージし、中でも大変に期待していた「コットンパワーフィルター」は、この時点で大番狂わせの状況。とっても期待をしていたのですがねぇ、残念。。。紙臭くなければ、他の匂いを発してよいのかって?
ダメに決まっていますよ!! とこの時点での考え。。

予想通り、スイスゴールドフィルターの香味に対する実力はすごいですよね。何にも濾過していないみたい。金属の網を通るだけの構造なので当然といえば当然なのですが、あまりにも速い水の通過スピードは、ちよっと心配になってしまいます。

また、予想外に水の味の影響が少なかったのは、コーヒーバネット用専用フィルターでした。漂白フィルターはダメと毛嫌いされていた方、一度試されてはどうでしょうか。

それでは、いよいよコーヒーのドリップテストにはいります~



●● いよいよ、コーヒーのドリップ能力の実験です ●●
真水のドリップで様々な傾向値を表現した各種フィルターですが、水だけの性能で決めるべきでなく、実際にコーヒーを淹れた場合に、どのように感じるかが肝心かと思います。ドリップの理念に関しても人様々ではあると思いますが、やはりフリークな方の意見は「何があろうと雑味成分を許さない」という意見が大勢を占めているようだなと、各種WEB情報を眺めている限り感じることです。

そうなのかなぁ・・・
コーヒードリッパーそれぞれに特長があったり、日本酒だって各地域によってお米、水の味の違いがそれぞれの銘柄に現れたりとあると思います。これらを好みの人が選択して、俺は硬水の酒が好き、私は軟水のお酒が好き、などと語り合ったりするものです。コーヒーとて同様かと。。

自珈亭のドリップはあくまでも横浜の水でのテスト。「小さな売店」開業当初の春日部店の水と明らかに違うから、多分同じコーヒー豆でも香味が変わっているはずなのです。やっぱり 『どのような香味が自分に好みなのか』 なのではないかな。そんな視点で、香味確認をご覧いただき、今後の自分珈琲探求のお役に立てれば幸いです。

ペーパードリップは、コーヒーの粉をフィルターに入れる前に一度湯通しをすると良いとされています。
過去は塩素漂白による塩素臭を落とすために必要でしたが、最近では紙臭さを落とすために必要とか言われています。試しにに二度の湯通しをしてみましたが、二度目の方がフィルター特有の匂いがつく傾向は軽減される感じがします。でも、フィルターを感じることは感じる。ゴールドフィルターのような「そのまんま臭」には決してならないことを知っておいてくださいね。
実態としては、コーヒーの旨み成分をペーパーフィルターが吸い取ってしまわないように、前もって水分を含ませるという説が、一番現実的かなという気がしています。

(相対比評価 5得点式)
嗅ぐ
香り
含み
香り
酸味 苦味 甘味 ドリップ
スピード
メリタ
バンブーフィルター
4 4 5 4 3 普通
UNIFLAME
コーヒーバネット専用フィルター
4 4 5 4 3 普通

コットンパワーフィルター
4 3 3 3 4 普通
エルフォ
スイスゴールドフィルター
5 5 5 5 5 遅め
 

比較実験で感じた傾向をお伝えします♪

スイスゴールドフィルター
テスト自体はこのフィルターを最後に行ったのですが、まず最初に語るとすると、このフィルターしかありません。他のフィルターと、同じ挽き加減、同じ注水でのドリップされたコーヒーは色が薄くはいってしまいました。
「ドリップスピードが速いのだから当然だよね」何て言わないでください。これまた驚きなのは、コーヒー粉をセットして注水した場合は、他のフィルターと比べて最もドリップスピードが遅くなってしまったのです。「うわー時間もこんなにかかってしまった。」他のフィルターでドリップしたコーヒーからテースティングした後、この「失敗」とした最初のゴールドフィルターのドリップをテースティングしてみたのです。

「んっ?全然香味が深いぞ!!」
ティスター2名での香味テストでしたが2人が口をそろえたのです。
「ドリップ時間がかかったからか?」
ではありませんでした。失敗かもしれないと思ったため、遅すぎるドリップ時間の解消を、挽き方を少しだけ粗くして調整。注水量も少しだけ多めにして、適切なドリップスピードを維持したドリップのものも、改めて香味チェックしました。やっぱり違う。ポイントは次の点になります。

嗅ぐ香り 他のフィルターよりも明らかに強い香りがします
含み香り 香りに深味があります。
多重奏されたような、厚みのある香りが愉しめます。
酸味 他の多くのフィルターと大差はありません
苦味 少々苦味が強く感じました。
甘味 水の甘みに、コーヒーの甘みが明らかに他のフィルターより強く出ます。
コク深み なんとなく、コーヒーの脂分が溶け出したかのような、とにかく厚みを感じる香味を実現してくれます。
キレ キレは感じるのですが、他のフィルターと感覚が違っていて、脂分を感じます。まったりとした感じを、深い焙煎の脂分の多いコーヒーで感じることができました。

各国のコーヒーティスターが愛用するのが、よく解ります。特に香りと、深味が大きく変わります。水の旨みでもある甘味も消えないで活きる点も、香味に大きな影響を出しているものと思われます。同時に、コーヒーそのものの甘味もより通過させてくれているのではないでしょうか。

しかし、欠点ももちろんあります。目で楽しむのが、厳しいのです。
その結果は、また後日 (^_-)-☆ (現在は、ゴールドフィルター販売ページに掲載中)

メリタ
バンブーフィルター
コーヒーバネット
専用フィルター

共に自珈亭でも良く使うフィルターです。どちらかというと僅かにバネット専用フィルターの方が、スッキリとした香味に仕上がります。

嗅覚のすぐれた人であれば、バンブーフィルターの竹の香りをキャッチできるかもしれません。しかし、竹筒をコーヒーカップに見立てて飲んだ感じがして、結構良かったりもします♪

バネット専用フィルターからは、明確な別の香味を感じることは恐らくよっぽと嗅覚のすぐれた人しかできないでしょう。

共に、私たちとしては使い慣れたドリップスピートでとても扱いやすいです。低くお湯を注げばゆっくりと抽出、高くお湯を注げば速い抽出が可能です。

コットンパワーフィルター
特に口に含んだ香りが、少し弱めになりがちですが、嗅ぐ香りの方は良好です。含み香りの弱さには、コットン臭的な香りが感じ無いとは言えないです。よく香りを確かめてみると、和紙的な風合いのある香りがコーヒーに混ざっているのが感じられるはずです。決して嫌な感じではなくレトロな風合いを感じます。ただし、そのコーヒーの持っている香味を出し切っているかといえば、?と言わざるを得ないと思います。

また、最も大きな違いを感じるのは、酸味が抑え目になるというところです。並べて他のペーパーフィルターと比較をしてみましたが、酸味が減少するのはほぼ確かだと思われます。結果として、コーヒーの甘味を抽出する能力は、コットンフィルターの方が、他のペーパーフィルターよりも得意のようです。お水での甘味成分の通過は良くありませんでしたが、コーヒーの甘味は通過してくれるようです。

以上のように、まろやかさが身上のようなコットンパワーフィルターです。
まろやかな風合いとなる理由かもしれないのは、コーヒー粉がフィルターに厚めの壁を形成しているからかもしれません。普通よりも編込みが深いフィルターの生地が、コーヒーの壁を強固にしているようです。

異論反論、いつでもお受けしています。
実証テストを踏まえて、情報の修正・更新・公開をしておりますので、
メール・Facebookブログなどでご連絡くださいませm(_ _)m


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(2013年夏)
ゴールドフィルターをコーヒーバネットにセット♪ 驚くべき能力を発揮した『スイスゴールドフィルター』ですが、欠点がないというわけではありません。きれいな「澄んだ色」でドリップするのが苦手だったり、「コーヒーの壁」を作るのが苦手だったりと、個別の癖が結構あります。

でも、良質のお豆で鮮度の高いコーヒー豆を使用する当店のお客さまであれば、きっとその能力の高さにご満足いただけるのではないかと考えています。

当店でも緊急で取り扱いを開始しました。
今後ともよろしくお願いします~


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