ご自分で焙煎するのですから、コーヒー豆は勿論生豆で購入しますよね。これって、煎りたてのコーヒーがいつも飲めるということだけでなく、はるかにたくさんの長所を持っているのです。
長期保存
生豆は、常温で1年近い保管が可能です(もちろん早いうちに使う方が良いのですが(^。^;))。焙煎済みの豆の鮮度維持とは比べ物にならないほど管理が楽で、保管期間が長いです。
ご存知でしたか?焙煎が済んだ豆は、一週間もたたないうちに味のピークを迎え、熟成をしながらも味が衰える方向に進行していくのです。良好な状態でのめるのは、焙煎後2週間弱。
これを抑制する為に、冷蔵保存や冷凍保存、真空保存などいろいろとしなければなりませんよね。でも、家庭における管理の中では、この方法すらなかなかうまくいかないのが実情です。冷蔵庫や冷凍庫にいれれば、珈琲の持ち前の脱臭効果(半分炭なので)が仇となり、豆の香りを損ねてしまったりの失敗も多くみられます。
安価な入手(価格の価値)
焙煎前のコーヒー生豆を購入するので、当然ですがコーヒー焙煎豆よりも比較的安価に手にしかも希少で高品質な銘柄が入手できます。これまで出会えなかったスペシャリティなどの高品質豆が、普通の焙煎豆とほぼ同等程度の価格で入手できたりするのです。とんでもなく美味しいのに節約ができ、こんなに良いことはありませんよね。
自珈亭では、生豆銘柄の選定を基本スペシャリティグレードのコーヒーに置き、それと同等以上のの品位を持つコーヒーにこだわった選定をしています。
傷んだ豆を飲まなくて良い
自分で納得が行くまで、ハンドピックという欠点豆を自分で取り除く作業ができます。
欠点豆は、珈琲の味や色を損ねるだけでなく、実は珈琲を飲んだ後の胃のもたれや、下痢、口にいつまでも残る酸味などにつながっているのです。とかく胃によくないと言われがちの珈琲の、本当の悪の張本人は、この欠点豆に大半はあると言われています。最近では、「珈琲は元来健康に良い飲み物だ」との報告が、正式な場で多数されているにもかかわらず、欠点豆の入った珈琲を飲み体調を崩すとやはり〝胃に悪い飲み物なのかしら〟と思ってしまいがちなものです。
生豆で取り除けるはずの欠点豆は、焙煎してしまうとかなりの確立で良い豆に隠れこみ、解らなくなってしまいます。家庭焙煎であれば、あらかじめ欠点豆をハンドピックし、そして焙煎後も異常な豆をハンドピックをするということで、身体に良く、とても美味しい珈琲を、自信をもって創ることができるのです。
自珈亭では、生豆銘柄の選定の基準に、この欠点豆の混入量の少なさも基準に置いています。家庭焙煎の良さの一つであるハンドピックは、結果的には実際のご購入量を減らすことになること、手間がかかりすぎることによる趣味の時間のロスタイムを増やしてしまうこと、視覚的に焙煎をしたくなるのが嫌になるようなことが無いこと。ういったこだわりをもって、銘柄の選別をしています。つまり香味だけでなく、豆面(まめづら)を選定基準に入れているのです。
欠点豆とハンドピックについて
好みのコーヒーが何なのか探求できる
「何処の何というグレードの豆なのか」ではなく、「好きな香味の豆」にこだわってもらいたいです。豆の味は、産地やグレードだけでは語れません。同じ産地なのに異なった香味が出ることも沢山あるのです。
これは、
* コーヒーが果物の種であることから、その年の出来栄えのばらつき(気候など)によるもの
* 農園の差によるもの
* 栽培品種の違いによるもの
* 精製方法の違いによるもの
* 焙煎の度合いによるもの
* 欠点豆の混入状況によるもの
* 生豆の保水量の違いによるもの 他
など、様々な要因で起こります。
だから、先入観なく一つ豆の豆ごとに探求して、傾向や個性を楽しみながら、本当に貴方の好きなコーヒー銘柄をみつけて欲しいのです。家庭焙煎をして珈琲と長く付き合っていると、こんな素朴な驚きや楽しさ、自分の好みについてまで、考えさせてくれるのです。
いつも『煎りたて』を手にできる
美味しいコーヒーを淹れるために重要なことは、以下のようなことが多くの意見として言われています。ご存知の方も多いですよね。
そう『煎りたて、挽きたて、淹れたて』の〝三たて〟です。ご家庭でコーヒーを飲むのに、この〝三たて〟のうち、「煎りたて」を維持するのがとても難しいです。買ってきた焙煎豆が既に鮮度のピークを過ぎているものもあるでしょう。あるいは買ってきたものの、1-2週間(自珈亭のテストでは10日位までに飲み終わりたいところ)で飲みきれず、結局買ってきたての数日以外は、その旬を逃してしまう。これがコーヒーの家庭でのドリップ(各種抽出)を楽しんでいる方々の現実ではないでしょうか。
自珈亭が家庭焙煎をお勧めする背景には、このことはとても重要な意味を持っています。家庭焙煎をすると、この悩みは全くなくなるでしょう。玄米と同じく、コーヒーの生豆は比較的簡単に長期に保存できますので、例えば休日の度に次の休日までの必要分量だけを煎る。こうすれば飲むのに最適な鮮度、そして香り高いコーヒーをいつも楽しんでいただけるわけです。美味しいコーヒーを淹れる為の原則のひとつ、「煎りたて」を日常で現実化するためには、家庭焙煎コーヒーは最適だと思うのです。
こうして〝三たて〟の最大難関『煎りたて』を、常に実現することができるのです。